水素エネルギー

本日の新聞に、政府が脱炭素の加速に向け、水素を普及させるための基本戦略を改定すると明らかにしたとありました。改定案では、次世代のエネルギーとされる水素の供給量を現状の200万トンから2040年に6倍の1200万トン程度に拡大すると明記されているようで、今後15年間で官民合わせて15兆円を投資し、政府主導で脱炭素の環境整備を進めるとのこと。政府は従来30年に300万トン、50年に2000万トンを目指す方向を示していましたが、今回40年の目標を新たに盛り込み具体的な道筋を示すことで、企業の積極的な取り組みを引き出したい考えがあるようです。

なぜ水素エネルギーが注目されているか?①二酸化炭素を出さない②エネルギー自給率を高める③日本の産業競争力を高める、などの理由からと言われております。大きな特徴としては、水素は燃焼してもCO2を排出せず、酸素と結びついて水になるので、とても環境に優しいエネルギーと言え、水素をエネルギー利用すれば、化石燃料を直接燃やすよりも高熱を発生させることが可能であり、そのため、産業・運輸・発電部門などCO2排出量の多い部門において、エネルギーが水素に変わることにより、大きなCO2削減効果が期待できます。ただ水素は、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料や原子力、再生可能エネルギーなどの1次エネルギーでなく、製造を必要とする2次エネルギーで、水素エネルギーを得るためには、1次エネルギーを使って「水素を作る」という工程が不可欠になります。これらは製造過程や環境負荷をふまえて「グレー水素」「ブルー水素」「グリーン水素」「イエロー水素」といった名前が付けられており、CO₂を排出しないことから有力視されているのは「ブルー水素」と「グリーン水素」で、現在ではこの2つの普及が求められています。その他、輸送・供給過程でのコスト(水素の輸送方法としては高圧での圧縮や低温下での液化、ほかの物質に変換しての運搬が挙げられます)もコスト高の要因として無視できない課題のようです。今後、水素を脱炭素とエネルギー安定供給の両立の切り札として据えて取り組んでいくようなので、FCV、バス、水素ステーションなどの普及に期待しながら、関連して再エネの導入拡大に向けた省庁連携のアクションプランの策定、浮体式洋上風力発電の産業戦略や導入目標などにも注視していきたいと思います。

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