昨日ポストに差出人不明の封書が届いており開封いたしましたら、私宛以外の物もありましたので、ご本人たちへお渡しいたしました。
市議会だより第75号で「陳情第1号 川内原発20年延長に関する陳情書」の表決結果をご覧になり、”賛否が多様に分かれている議案を初めて見た”とのことや、決算について、「最小の経費で最大の効果を上げているか、次年度予算編成に繋がるもの、行政の予算は単年度主義なので深い審議を期待する、市民目線で市民の為に」などの趣旨の文章でありました。
私も議員になりもう少しで3年になりますが、市民目線、市民感覚、とうぜん公平と公正を考えた市民のための市政となるよう、議案や陳情なども審査してきました。
もちろん昨日から始まった予決算特別委員会での決算審査でもそうです。
そして、私は出来るだけ主な議案や陳情にについては、今後も本会議場での討論に参加するつもりです。
おそらくほとんど議会にご興味のない市民の皆様にはその実態はわからないと思いますが、誰でもHPなどから市議会の会議録等はご覧になれますので、もしよろしければご覧くださり、ご批評くだされば今後の勉強になります。
この封書にあった川内原発20年運転延長に関しても、私は不採択の討論をいたしましたが、私なりに調べ尽くした結果、不採択に至ったということは、ご理解いただけたらと思います。
他の議員も同様に、自分なりに調べ考え判断したもので、決して同調や安易な審査でないことも、ご理解頂きたいと思います。
今回はどうもありがとうございます。引き続き皆様のご期待に応えられるように邁進してまいります。
※前回議会(令和6年第2回)で川内原発20年運転延長に関する陳情書の、最終本会議(7月5日)での私の討論は以下になります。
本陳情では、もし現状でマグニチュード7.5もの大地震が川内原発近傍で発生したら、原発施設への深刻な影響や、現状の避難計画どおり避難が進まないことなどを危惧されており、数年後に保管量が満杯になる燃料プールの使用済み核燃料の一時保管の課題などにも触れられ、川内原発の基準地震動を超える震度6弱以上の地震が起きない完全な保証がない限り、川内原発の20年運転延長への反対を訴えられております。
そして、川内原発近傍にある甑断層帯、市来断層帯でもマグニチュード7を超える地震が発生する可能性についても指摘されており、もし原発施設に大きな被害を与えるような地震が来たらと不安を抱く住民も多いものと想像いたします。
地震は、いつ起きるか誰にも分からず、だからこそ可能な限り備えていく必要はありますが、陳情には現状の避難計画へも厳しい評価がされており、2月に実施された川内原発の重大事故を想定した県原子力防災訓練でも、参加者から避難計画の実効性を不安視する声があったようで、これも住民、県民の声と感じるところです。
ただ、川内原発は、原子力規制委員会から、未知の震源による地震への対応向上を目的とした新規制基準の改正に伴う地震対策を見直す設置変更許可を受けており、能登半島地震後に、原子力規制委員会でも原発事故時の避難や被曝防護策をまとめた原子力災害対策指針を検証する議論が開始されており、能登半島地震で高まった複合災害への懸念や不安を解消できるような現実的な想定をめぐらせた避難計画の再検討や、今年度に11年ぶりに県内で実施予定の国の原子力総合防災訓練なども踏まえ、今後、より安全性の高い計画作成がなされるものと考えます。
原発稼働や運転期間延長に関しての意見は、立場や暮らす場所、生きてきた時間などで賛否それぞれであり、それは安全性に問題を抱きながらも使わざるを得ない現状の表れと考えます。
私は、その潜在的危険度は高く、被害が広範囲にわたる面や、特に解決が見えない高レベル放射性廃棄物問題などの課題も考えれば、できるだけ早く今の原発が稼働せずに暮らせるような電源構成になることを切に願っておりますが、今の私たちの生活、これからの未来、環境、経済成長、資源の低減、獲得競争、少子超高齢化社会、円安、エネルギー価格高騰など、様々な影響、メリット・デメリット、リスクなどを慎重に考え、総合的に判断するべきものと思います。
川内原発1号機、2号機の運転期間延長は、県知事また原発立地自治体首長も容認しており、2号機は来年11月に40年を迎えますが、1号機は定期検査中ながら7月4日に既に運転期間延長に入っております。
また、2025年6月から30年超の運転を予定する原発に対し、規制委員会が10年ごとに劣化を確かめるなどの新制度へ移行され、伴う対応として、既に今年6月24日に九州電力から1号機、2号機について、運転開始からそれぞれ50年、40年までの稼働に向けた長期施設管理計画が規制委員会へ認可申請され、原発の安全確保を大前提とした最大限活用の動き、流れの中で、私たちの暮らしも未来へ向かおうとしております。
そして、川内原発がもたらす地域経済効果は大きく、この原発があり、安定した生活ができている方々、未来を描ける方々が多くいることも忘れてはならないと思います。
様々な状況などを踏まえ、今20年運転期間延長に反対することは議会としては適切でないと判断いたします。
段階的に、今の原発依存を可能な限り低減しながら、新たな発電方法や他のクリーンエネルギーで省エネルギーとなるエネルギー構造へ一刻も早く大きくシフトチェンジされることを願い、本陳情は不採択すべきものといたします。