今朝、加世田鍛冶の志耕庵で職人さんが作業をされておりましたのでお話を伺いました。志耕庵は加世田麓にあり、武士の内職として伝承されてきた加世田鎌・加世田包丁の製作体験が出来る場所でもあります。上鴻巣へ引っ越してから時々作業をされておられるのを見かけておりましたので、注文などが入っての鍛冶作業なのかと期待を込めそう考えておりましたが、そうばかりではないようで、商売にはならず気の向いたときにこうやって作業をする日も多いようで寂しさも感じるところです。「どうぞ見て行ってくださいね」そんなお言葉に、このまま地域の歴史的産業の火も、真っ赤に熱せられた金属が冷めるように、少しづつ消えていくのだろうか、そんな思いを抱きながら作業を見つめておりました。
帰りに「草取りなどに良い鎌とかはないですか?」とお聞きすると、変わった形の鎌を出して下さり表の地面で使用方法を実演くださりました。まだ色を付けてないとのことでしたが、ひとつ購入させていただき早速庭の草取り作業で使ってみると、簡単に草が取れ嬉しくなります。なるほど、こういうどこでもある物でなく、用途や使い方、使う人に合った物、オリジナル感や手作り感が漂う物も、小さな工房で作っていき、ある程度でも地域販路を拡大できれば、衰退を少しでも食い止めて行けるのでは?と小さな光を感じるところです。取りあえず日曜日の集落清掃で本日購入した志耕庵の草取り鎌を皆に使ってみてもらおうと思います。
上鴻巣休憩所では、今日からなくなるまで、津貫みかんの皮を干して使用した「みかんの皮茶」もご休憩の方へお出しできますので、お声がけくださいね。