ヨッカブイの語源は、「夜着被り」からきているそうです。夜着とは、着物のような形をした寝具のこと。シュロで作った仮面を被り、観客を笹の葉で追い払い、子どもたちを麻袋に詰め込むなどし悪いことをしないよう戒めて回るこのヨッカブイは、金峰町高橋集落の玉手神社周辺で毎年行われる、水難から子どもたちを守る水神(ヒッチドン)を奉る異色の伝統行事です。
棉の抜けた夜着をだらりと着崩し、シュロの頭巾をすっぽりとかぶる姿は何とも怪しいわけでありますが、その正体は大ガラッパ(カッパ)であり、実は水難から子供たちを守る水神であることはあまり知られてないようです。大ガラッパは奇声を発しながら子どもたちに近づき、手に持った大きな麻袋に入れてしまうなんとも恐ろしく、今のご時世一歩間違えば何かの問題にされそうな行動もここでは普通に?繰り広げられました。保育園の園児たちには本当に怖い体験であったことと思います。ヨッカブイの水神たちが退散した後も園児たちの泣き声や怯えた姿を暫く見ながら、きっとずっと忘れることのない怖い体験であり、トラウマなどにならないことを願うばかりであります。
子ども達を怖がらせた大ガラッパたちはその後玉手神社へ向かい、境内にある土俵で他の子どもたち(小ガラッパ)との相撲も行い、土俵の周りを踊り、今年の高橋十八度踊りを終えました。コロナ中止などで私も久々に見ることができ、改めてこの奇祭が続くことそして子どもたちが水害からも守られることを願っております。