昨日3月29日に、産業厚生委員会の所管事務調査を指宿市、湧水町方面で行いましたので、訪問先ごと3回にわけて詳細を報告していきたいと思います。まず最初は近隣の「汚泥堆肥化の取組」について調査さた、「指宿広域汚泥リサイクルセンター」について。
◆施設名称:指宿広域汚泥リサイクルセンター
◆事業主体:指宿広域市町村圏組合
◆処理区域:指宿市及び南九州市頴娃町地域(公共下水道に係る水洗化除く)
◆処理方法:浄化槽汚泥混入比率の高い脱窒素処理方法 膜分離方式+高度処理
◆処理能力:134キロリットル/日(生し尿27kl、浄化槽汚泥107kl)、生ごみ240kg/日
◆総事業費:20億6115万円
施設の特長のひとつとして、「浄化槽汚泥混入比率の高い脱窒素処理方式」を採用し、さらに活性炭吸着による高度処理を行い、無色透明できれいな処理水質であるということです。工程別処理水として、「し尿・浄化槽汚泥」➡「生物処理水」➡「膜透過水」➡「活性炭処理水」➡「放流水」の段階を踏んで河川へ放流されます。また、資源化の取組として、生ごみと処理過程より排出される汚泥は発酵装置で有機物を好気発酵し、良好な堆肥として製造され、農地に還元され、有効利用されます。
堆肥は圏地域の市民や団体等に1袋50円を徴収し配布されていて、実績34団体1940人で、収入として年間57万3700円とのことでしたが、人口減少により特にし尿などが減少傾向で、今後の搬入量も減少していくことが懸念されるようでした。またこの汚泥発酵堆肥には根の発育などに必要なカリの成分が少なく、葉物を中心とした野菜作りに適していて、ここでもやはり家庭菜園や肥料の特長を理解している方がリピーターとなっているということでした。カドミウムや水銀などの有害成分含有量の測定も行われ基準に適した物が堆肥とされるようですが、今後特に有害成分含有量の測定結果はHPなどで公開するなどされれば安全安心に繋がると考えます。そして下水汚泥を長期連用したとき、カリウム欠乏は確実に発生すると言われますが、ここの汚泥発酵肥料の分析結果も窒素4.2%、リン1.6%、カリ0.2%(令和3年)で、カリウムの含有量が格段に少ない窒素過多の肥料であることがわかります。今後の汚泥堆肥化には、やはりいかにカリウムを汚泥に補充するかは実際農業上重要なこととなると感じております。また下水汚泥を焼却した汚泥焼却灰を「改良土」や「セメント原料」として利用されることもあり、いずれにしろ今後汚泥リサイクルは未来に必要な取組であり更に研究され、その利用のされ方も広がっていくものと期待するものであります。私も引き続き勉強していきたいと思います。
指宿広域汚泥リサイクルセンターからの移動途中、休憩で、2022年10月にオープンした池田湖観光施設公園「IKEDAKO PAX(いけだ湖パックス)」に立ち寄りました。指定管理者は鹿児島市の「株式会社danken」。交流広場、水上デッキ、ホワイエ(面積16㎡で、観光体験や市民活動等を実施する場として利用できる)、カフェなどもあり、この日も観光客で賑わっておりました。もちろん屋外にはサイクルラックもありましたので、こんど自転車で来た時は利用したいと思います。